渋谷の道玄坂にある創業90年の老舗花菱。若者の街、渋谷の道玄坂にありながら、長い年月を重ねたお店で、斎藤茂吉が贔屓にしていたことからもそれがわかる。斎藤茂吉が鰻好きだったことは有名で、『茂吉日記』から鰻の蒲焼を食べた回数を数えると902回とのこと。驚愕。早くその領域へたどり着けるように精進したく思う。
お店のつくりは、1階が入口で地下にテーブル席が6席ほどと座敷。壁には斎藤茂吉記念館のポスターが貼ってあり、「ああ、茂吉に追いつければ」と思いをはせる。鰻の待ち時間は40分ほどとのことで、1杯やりながらの鰻待ち。この待ち時間がたまらなく好きだ。
さて、お味は。
鰻がとろけるように柔らかい。脂のノリもいい。タレはやさしい味で、ご飯の硬さもいい。つまりバランスがいい。
これが茂吉が愛した味かと納得。
帰り際、共水うなぎのウチワをいただく。うちわを見て、また鰻が食べたくなる。
(2018/6/23に再来訪)