五代目 野田岩

五代目 野田岩

どの世界にも別格というものがある。
ここ「野田岩」は、江戸時代から続く伝統を持ちながらも、その上にあぐらをかくのではなく、常に時代に合わせて変化をし続ける。ゆえに品格がある。

大将の金本兼次郎さんは、まさに江戸の職人で「現代の名工」にも選ばれるほどの人物。NHKのプロフェッショナルにも登場していて、名言のオンパレードなので是非とも観て欲しい神回。このような職人さんがいるのが、鰻屋の最高の魅力だ。

ここの鰻は美しい。焼きが職人技なので焼き色を見てまずは楽しめる。見た目でお酒が呑めると言っても過言ではない。
そして口の中に入れると、表面の焼きが舌の上ではじける。中はふんわり、脂の旨みが口の中にひろがる。まさに職人技。
時期によっては天然鰻もあるので、ぜひとも味わってもらいたい。

語り尽くせぬ鰻屋。

(2018/11/30 来訪)
景気づけに天然鰻を食べようと野田岩へ。天然鰻の有無を聞いてみると、用意ができるという。ラッキー♪ 天然鰻のお重と、先付3種とお酒を注文。さて、天然鰻はいくらなのだろうか(笑)。何年か前には良心的なお値段だったと記憶しているのでなんとかなるだろう。景気づけなのだから少し粋がってみる。

焼かれる間はお酒で待つ。先付3種は”お浸し”、”鰻の燻製”、”煮凝り”。お酒は菊正宗の生酛 純米大吟醸生。どれもお酒との相性はばっちり。燻製はスモーキーな風味がゆっくりと出てくるし、煮凝りはその甘さで頬が落ちそうになるが、生酛の菊正宗がしっかりと支えてくれる。

そして25分ほどで小ぶりな鰻がいかだで登場。岡山の鰻とのことだ。焼き色が綺麗なのはさすが。少し早めの登場は小ぶりだったせいだろう。
さて、お味は。

脂じゃない旨さ。身のうまさ。贅沢だ。
そして大発見は肝吸い。天然鰻は肝がうまい。コクがあって酒と合う。これからは天然鰻の肝を食べ歩きたいほどだ。

これは至福。さあ、お会計はいくらだろうか。

最高峰の味!!

大人の空間

初回訪問日:2013/05/06

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言わずもがなの増上寺。江戸時代から続く鰻を食べて、うちわを片手に江戸のお寺を巡る。風流な散歩をぜひ。

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