暑さが増してくると鰻屋が活気づく。日曜日のお昼となればなおさらだ。
春日の駅、後楽園の駅からすぐ、マンションの1階に「わたべ」はある。土用の丑を目前に控えた日曜日、鰻が高騰しているとはいえ、多くのお客さんでにぎわっている。入口でしばしウェイティング。マンションの1階という店構えではあるが、70年以上つづくお店で現在の店主で3代目とのこと、タレも継ぎ足しらしく、期待感が高まる。
店内は綺麗で清潔、3卓ほどのテーブルごとに仕切りで区切られているので、広いながらも収まりがよくて落ち着く。店内の貼り紙には、鰻は注文をしてから焼いてくれるので30分ほど待つとのこと。これは一杯やりながら待つことに決まり。注文は、「うなぎ肝ソテー卵黄添え」と「多満自慢 純米酒」。東京の地酒だ。それから「うな重の特上」。
すぐにお酒の登場。しばらくして「うなぎ肝ソテー卵黄添え」。
10匹分はあるだろう、肝がもりもり。よく焼かれているので香ばしく、卵黄をからめてコッテリ濃厚、とはいえ山葵を添えるので後味スッキリ。それに純米酒を合わせる。「ああ、幸せ」、日曜のお昼に至福の時が到来。
そして30分ほどして真打登場。
パカっと重箱を開けると、あふれんばかりの鰻。黄金の輝き、綺麗だ。で、お味は。
肉厚があり、さらにふわトロMAXで脂のノリ至極、さっぱりしたタレ、1粒1粒がパラパラとこぼれる米、そしてその温度。うまい。鰻の脂が甘い。
さらにここのお店には、山椒が2種類ある。スタンダードな山椒とピリピリが強い山椒。これは好みが別れると思うが、そこまでの配慮していることがうれしく思う。
さすが、ミシュランガイド2018にうなぎ屋部門のビブグルマンとして掲載されただけのことはある。今、勢いがあってノッテる鰻屋わたべ。ぜひ次はビブグルマンではなく星を獲得してもらいたいものだ。
土用の丑を目前にして、至福なお昼。