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鰻屋探訪記(東京・日本橋エリア)

若女将の気配りがあたたかいお店

青葉東京・日本橋

土用明け、立秋。秋が立ってもうだるような暑さだが鰻日和。こんな日は昼から冷酒がいい。

新富町にある「青葉」。本店は神戸で江戸風の鰻を提供していて、東京への逆上陸とのこと。
お店のつくりは、テーブル5卓ほどと小上がり。こじんまりとしたフロアをTシャツ姿の若女将が切り盛りする。膝丈のパンツにクロックス、ラフな姿で颯爽と動きまわって気配りが絶えない。あたたかさがあふれるお店だ。
注文をすると「こちらどうぞ」とデイリースポーツを差し出される。一人客相手の気配りだろう。デイリースポーツなのは、神戸が由来のための阪神贔屓なのか、それともこちらが阪神ファンに見えてのおもてなしか。(ちなみに阪神ファンでビンゴだ。)

この日の注文は「青葉」と屋号が名付けられた鰻丼(3800円)と「キスの昆布〆」、そして菊正宗の純米樽酒(一合瓶)。鰻丼は鰻一尾を使った丼で、同値段で鰻重もあるのだが、容器以外の違いは無いらしい。であれば屋号が付いた鰻丼がお店の一押しなのだろう。

そして間髪おかずにお酒が登場、しかも最初の1杯は女将がお酌。この菊正宗純米樽酒は瓶詰なのだが、樽の香りがしっかりとついていて、手品のようなお酒なのだ。1合瓶の酒は概していまいちなことが多いが、このお酒は風変りでおもしろい。そして、キスの昆布〆。刻み生姜が山盛りで驚き。夏の暑さを吹き飛ばすようなピリピリとした刺激。

生姜と日本酒を合わせながら15分ほどで真打登場。

蓋を開けると存在感抜群の大鰻。東京の鰻屋はお重が主流なので、ここまで大きな鰻を乗せた丼は立派。陶器の丼であればもっと高揚するだろうが、これだけの鰻を乗せる陶器の丼はないのだろう。
見た目と違ってお味はサッパリ、ご飯が水気の少なくしっかりとしていて、鰻を引き立たせる。
食べごたえのある鰻だ。

食後、最後まで小まめにお茶を足しに来てくれる女将の気配りに最後まで温かさを感じる。
いい鰻屋は人がいい。そんなことを思い起こせるお店だ。


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★★★☆☆ おいしいお店!
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2019/08/12

近隣のおすすめスポット

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鰻と梅干し

人形町 梅田東京・日本橋

趣のある飲食店がある人形町。鰻の銘店もいくつかあり、「梅田」もそのひとつだ。

2階建てのこじんまりとした入口を開けると女将さんが笑顔で「いらっしゃいませ」と迎えてくれる。カウンターでは職人さんがペコリとかるく会釈。気品がある。2階に通されてさっそく鰻を注文。

2階はテーブル席が6つほど。店内が見渡せる大きさ、この日は入りも少なく清閑だ。ゆっくりと鰻を待つ。すると鰻の焼き香りが1階から昇ってくる。ああ、至極の待ち時間。早く食べたい。と、25分ほどで鰻登場。

脂がだいぶ落とされてさっぱりとした鰻。タレは醤油味の強いしょっぱさ。少し物足りなさが。。。。
しかしながら、ここのお店は鰻重よりも「梅田丼」がある。ご飯の上に刻み海苔、梅干しのすり身、その上に出汁醤油でコンガリと焼いた鰻を乗せた丼。
梅干しの酸味と鰻の甘み、出汁醤油の塩気があいからまる中、カリっと焼いた鰻の食感がたまらない。

昔から、鰻と梅干しは「食い合わせ」として一緒に食べては消化不良を起こすとされてきた。しかし、これは言い伝えのようなもので根拠はなく、むしろ相性はいいらしい。つまり迷信だ。迷信になった由来としては、贅沢や過食をやめようという由縁。
確かに鰻の脂と梅干のさっぱりさでご飯は進むだろう。そこを逆手に取ったのがこの「梅田丼」だ。

やはり、このお店ではこれを食べるべきなのだろう。


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★★★☆☆ おいしいお店!
創:個性的な輝き

2018/09/24

近隣のおすすめスポット

地球儀専門店

地球儀専門店子供のころから、大人になってからも地球儀には気品を感じる。子供が眺めるものに思うものの、書斎に置かれていて大人感を演出して欲しいもの。同じ類のものに百科事典があるが、それよりもロマンがある。子供心に地球の大きさを知るもの。
そんな地球儀が大きさ順に並んでいる。

鰻100%の魚醤をつかった「いづも焼き」

いづもや東京・日本橋

鰻の魚醤で焼いた「いづも焼き」とお酒を合わすべし。

日本橋で昭和21年創業、本館と別館があり、本館はお座敷、テーブル席は別館から。
ここのお店には変わったメニューがある。

まずは、「いづも焼き」。
鰻でつくった魚醤のつけて焼いたオリジナル料理。魚醤は「しょっつる」や「ナンプラー」などが有名な魚と塩で作った発行調味料。大豆でつくると醤油で、魚でつくるから魚醤。大豆などの穀物からつくる穀醤よりも魚醤の歴史は古い。このお店は、ただの魚醤ではなく鰻100%の魚醤。オリジナル調味料で世界に1つのオンリーワン。それで焼いた鰻が「いづも焼き」だ。

もう1つは、「蒲の穂焼き」。
蒲焼の語源については諸説あるが、蒲の穂に由来するという説がある。これは、鰻をまるまる串に刺して焼いた姿が蒲の穂に似ていたためと言われており、これを模したメニューは「蒲の穂焼き」。

(参考)蒲の穂

すべて食べたいところだが、欲張ってもいいことは無い、と心落ち着けて、鰻重といづも焼きを注文。出てくるまでに10分ほどと意外にも提供が早い。

で、お味は。

まずはオーソドックスな味を確かめるべくうな重からいただく。さっぱりとした鰻。変わったメニューのあるお店なので、変化球の味かを思いきや、品のある鰻の味。ご飯の炊き具合も鰻にベストマッチ。

さて、それからいづも焼き。
香りが飛騨高山を思い起こさせる醤油を焦がしたような香ばしさが食欲をそそる。しっかりと焼けていて、舌の上にのせると、ピリリと醤の味。うまい。「先にお酒と合わせて一杯やるんだった」と、思わせる味。うますぎる。次に来る時は、いづも焼きで一杯やってからうな重だ。間違いない。でも「蒲の穂焼き」も食べたい。今から悩ましい。

うな重もおいしいが、是非「いづも焼き」をご賞味あれ。


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★★★★☆ 名店!また行く!!        
創:個性的な輝き

2018/07/13

近隣のおすすめスポット

にほんばし島根館

アンテナショップが多い日本橋。その中でも島根のお店。

島根・鳥取は地味に思えるのは関東在住のせいだろうか。出雲大社か鳥取砂丘か。 いづれの地も日本酒はしっかりとした味で、おいしいお酒が多い。神々が集まる地、島根を掘り下げてみてはいかがだろうか。

職人気質をビンビン感じるお店

はし本東京・日本橋

職人気質を感じるお店は、テンションが上がる。

日本橋にある「はし本」は、「生産者の顔が見える鰻」がモットー。お店の入口にも、その日の鰻の産地が書かれている。また、テーブルの上のメニューにも鰻へのこだわりが書かれており、「うな重の前に鯉のあらいでお酒を一杯やるのがよい」ともある。その通り。

昭和22年創業の「はし本」は、よいものをおいしく食べさせたい職人気質がぐいぐいと伝わってくる。このように鰻屋は職人気質であって欲しい。しかしながら、お店は頑固に格式ばってはおらず、むしろ窮屈で庶民的な雰囲気をかもしだしている。

注文してから10分ほどで鰻登場。もっと時間をかけてくれた方が味わいがでるのだが。。。

さて、お味は。

この日の鰻は宮崎の鰻。見事なフワトロ系鰻、タレはサッパリめ。食べる前にお店のこだわりを読んでいた分、味わいが深くなる。お酒で一杯やってから合わせるのがベストなうな重。

職人気質を肴に一杯やるお店。


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★★★★☆ 名店!また行く!!        
粋:鰻の前にお酒を一杯

2018/07/13

近隣のおすすめスポット

山本山

山本山『上から読んでも「山本山」、下から読んでも「山本山」』。ある一定の年齢の人には忘れられないフレーズではないだろうか。幼稚園生だったワタシには『「やまもとやま」は下から読んだら「まやともまや」じゃん!』とはてなマークだったが。

米がうまい。鰻重の基本は米にあり。

三好東京・日本橋

「炭と、かまどで米を炊く」がこのお店のこだわり。

伊豆松崎の本店から引き継いだ70年間切らす事無く継ぎ足して使っているタレが秘伝とか。こだわりの強いお店だ。期待感が高まる。

お店に入ると、お昼でありながらほどよく薄暗く、飾らない落ち着きがある。カウンターとテーブル席に加えて、小上がりがある。老舗居酒屋のようなたたずまいが心地よい。

鰻を注文すると、肝焼きがお薦めとの言葉をもらったので、ビールと肝焼きを食べながら鰻待ち。この待ち時間がたまらない。30分ほどで鰻登場。

さて、お味は。

さすがにお米にこだわるだけのことはあって、米は1粒1粒がパラパラとしっかりしている。それに合わせるようにタレ味は薄め。ゆえにご飯をおいしく味わえる。個人的にはもう少しコッテリ味と合わせたいが、バランスを考えればこれでよしとしよう。

おいしいうな重は必ずお米1粒1粒のバラけ具合、温度へも気遣いがされている。そのお手本のようなお店。

是非ご賞味を。

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★★★☆☆ おいしいお店!        
粋:鰻の前にお酒を一杯
 

2018/07/13

近隣のおすすめスポット

甘酒横丁

甘酒横丁鯛焼き、人形焼き、かき氷、ソフトクリーム。がんもに厚揚げ、今半のすき焼きコロッケ。
甘酒は好きでなくても十分楽しめる通り。

大衆的な老舗

うなぎ割烹 大江戸東京・日本橋

収まるところに収まる。そんな言葉が似合うのが、うなぎ割烹大江戸の「いかだ」だ。

創業は1800年頃(寛政年間)と老舗。店構えにも風格がある。老舗は心が引き締まる。しかしながらお店に入ると、「あれ?老舗?」と思ってしまう大衆的な大箱。ボックス席が一列に並ぶ。まさに地方を走る電車のボックス席。

とはいえ老舗、お店の方々は和装で気さく。老舗の貫禄というより、古くから愛されるお店であることがうかがえる。

ボックス席に通されて、「いかだ」を注文。

老舗なので焼き時間がかかるかと思いきや、10分ほどで鰻登場。「もっと時間かけてほしいな~」と思うが、愛される大衆感はこういうところにあるのだろう。運ばれた重箱をパカっ開けると、そこには大ぶりな鰻が所狭しと折りたたまれて立派な鰻重。なるほど、「いかだ」だ。収まるところに収まっている。しかしながら、屈葬という表現が思わず浮かぶ。

さて、お味は。

味もまさに大衆的。割烹、老舗という言葉からしていたイメージとはギャップが。。。
とはいえ、大衆的な老舗というのも興があっていい。


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★★★☆☆ おいしいお店!        
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2018/07/11

近隣のおすすめスポット

日本橋ふくしま館

福島といえば日本酒。あとコケシかな。

風流さを感じられる老舗

喜代川東京・日本橋

「江戸を感じる風流な鰻屋は?」と聞かれたら、茅場町の喜代川と答えるだろう。
細い路地にたたずむ築90年の日本家屋。夏にうだるような暑さの中、扇子片手に入りたいお店だ。明治7年創業の歴史ある鰻屋だ。

旅館のような建物の2階はお座敷、1階はテーブル席。入口も分かれていている。サクっと鰻重を食べるにはテーブル席。中に入ると、5卓ほどのこじんまりとした空間ではあるものの窮屈感はなく、品のある鰻屋独特の風情がある。

さて、さっそく鰻重を注文。と、それほど待つことなく鰻の登場。お味は。

お店の雰囲気にマッチした上品な味。脂が落とされて、タレの味もさっぱりめ。長めに蒸しているらしい、納得。

大人の味のする鰻屋だ。


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★★★☆☆ おいしいお店!        
閑:大人の空間

2018/07/07