肝焼きの香ばしいコゲの苦さに合う酒だ。神奈川のお酒丹沢山。いいね。
吉田松陰も愛したという浦賀にある明治初期から続く梅本。老舗とはいえ、お店は小さくて庶民的。テーブル2卓と4人でいっぱいになるL字カウンター。正しくは2等辺の”「”(鉤括弧)だが、4組が入れば満席だ。
浦賀というのは歴史が動いた知名度の割に何も無い街で、何も無い駅前から歩くこと10分ほどで、梅本に到着。
観光地である由縁なのか、梅本には神奈川の地酒が揃えてある。今日はその中でも川西屋酒造店の丹沢山をチョイス。川西屋酒造店の有名酒は隆(りゅう)だが、澄んでいてお魚に合わせやすい隆に対して、丹沢山は米の旨みがしっとりくるお酒。地元米の若水を使っているのもいい。
そしてメニューにはない肝焼きがあるとのことで、肝焼きと合わせる。肝焼きの香ばしいコゲめの苦さが、丹沢山とピッタリ。思わず笑みがこぼれる。
そして注文から30分弱で真打登場。
うな重の月(4200円)は、小ぶりの鰻が1尾と4分の1。お重の上を鰻で覆い尽くす。
伝統のあるタレは醤油濃いめの辛口。コクがあって旨みが強い。
勝手に歴史を感じる味わいだ。
歴史があっても老舗感が無いのが、長続きしているお店の特徴だ。このお店に吉田松陰が通っていたのか。改めて感慨深い。