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鰻屋探訪記

お新香はうな重よりも先

松琴楼小田原周辺

うな重に付くお新香は、もともとは鰻が焼きあがるのを待つ間の一杯の肴として出されたという話がある。うな重を待つ間の一杯を楽しみにしている私にはこのスタイルがとても好きだ。お重を食べている間にお新香を食べて味を変化させたくない。気が利くお店は、お酒を頼むとお新香を先に出すかと聞いてくれる。

ここ松琴楼は、何も言わなくてもお新香と骨せんべいを先に出してくれるお店だ。

江戸時代から宿場として発展してきた小田原だが、古くから続く鰻屋は少ない。そんな中で小田原城からすぐの位置にあるここ松琴楼は江戸時代からつづく老舗。

小上がり中心の店内は、日本的で落ち着く広間だ。

松琴楼のうな重のメニューは、グラムで分かれている。140g、200g、230g、250g、300g。風情の無いむき出しの表記。特上、上、並でもなければ、松竹梅でも、いろはでもない。オブラートに包むことなくグラム数。グラム数を問われてもいまいちぴんと来ないが250g(3,630円)を注文、おそらくこれが1匹分くらいだろう。

あと、「なま肝」というメニューを頼んだところ、水曜日はやっていないとのこと。残念。

しかしながらお通しに塩辛、先出しのお新香と骨せんべいと豪華な肴。これなら問題ない。
うな重待ちの至福タイム。

20分ほどで真打登場。ここは丼スタイルのお重だ。柔らかい鰻。そして米がうまい。
タレは醤油味強めの辛口だけれど、鰻とご飯の甘さで中和されてサッパリに感じる。バランスのいい鰻だ。

おいしいものが多い小田原は、鰻もおいしい。


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★★★☆☆ おいしいお店!    
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2021/07/18

近隣のおすすめスポット

かまぼこ通りで一杯

かまぼこ通りなるものがありあり、そのなかのうろこきでは路面でお酒とかまぼこが楽しめる。お酒は神奈川のお酒が用意されていて、味比べができる。お昼に路上でいっぱいは格別にうまい。

川崎の名店

大沼川崎市

川崎駅近辺でまさかこんなに本格的な鰻重が食べられるとは。川崎駅のイメージ的に期待薄だったのだが、おいしい鰻屋を発見。川崎駅南の繁華街を通り抜けたところにある「大沼」は創業80年ほど。お店のホームページを見ると、昭和20年代からのお店の写真が載っていてレトロな街並みが拝見できる。

お店の中は広くて明るく、店員さんもてきぱきと感じがいい。テーブル席、掘りごたつ席、2階席もあり、会食もできるお店のようだ。このご時世なのでゆったり席でくつろげる。この日の注文は、うなぎの煮こご、骨せんべい、うな重上(4,180円)、お酒は初孫の魔斬(まきり)。

なんとも格好いい名前のお酒は、米の味がするしっかりお酒。煮こごりの甘さとの組み合わせがばっちりでお酒があまくなる。頬が落ちる。煮こごり好きにはたまらない。

そして待つこと20分ほどで真打登場。もう少しゆっくりだと、もうちょっと鰻待ちの時間を堪能できたのだが。

そしてうな重のお味は、ほどよく柔らかく、ほどよく醤油辛く、ほどよくあまい。バランスのとれたおいしい関東鰻だ。蒸し具合、焼き具合がいい。タレがいい。

これは多くの人に受け入れられやすい、スタンダードな本格鰻重。
これはいい。川崎に名店あり。


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★★★★☆ 名店!また行く!!
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2021/07/04

浜松の関西風鰻の人気店

あおいや浜松・掛川・磐田

浜松駅の隣駅の天竜川から徒歩15分、関西風鰻の名店「あおいや」は平日の開店11時から満席。東西鰻が入り混じる浜松において、関西風鰻の人気店があおいや(旧名かんたろう)だ。

人気があるだけあって、お味もさすが。
地焼ならではのパリっとした表面、噛むと鰻の脂と甘さが舌の上にあふれ出る。「これが鰻だ」と感じられる瞬間がたまらない。タレの味も名古屋鰻ほど濃くはなく、さっぱりめ。まさに関西風浜松鰻の真骨頂。

このお店の変わったメニューが「鰻のしっぽ(200円)」。尾びれかと思いきや、焼いた鰻の切れ端。それゆえにカリっとしてて酒のあてにいい。と、言いたいところだが、焼いた鰻の切れ端なので、出てくるのがお重の出来上がりとほとんど変わらない。しょうがない。

お酒のあては肝焼きがいい。こちらもカリっとプリっと香ばしい。
ちなみにお酒は浜松の酒、花の舞の純米酒。甘口の酒が肝焼きと合う。

浜松いいな。
帰りは駿河湾の生しらすを食して帰ろう。

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★★★☆☆ おいしいお店!
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2021/07/04

西麻布にある浜松の老舗鰻屋

濱松 中川屋六本木・麻布・広尾

6月末日、東京の緊急事態宣言が解除されて禁酒令も解けた最初の土曜日。鰻屋探訪も2か月ぶりの鰻屋探訪。

明治10年創業の浜松の老舗が2019年に西麻布にお店を出した。西麻布の交差点から乃木坂方面へ少し入ったところの閑静な街中に鰻屋には見えないお店がある。
打ちっぱなしの3階建てビルの2階、絵画のギャラリーだと言われても違和感のない店構え。店内もシンプルでモダン。ここは鰻屋か?となるのは間違いない。

この日の注文は、うな重(5,000円)と肝焼き、日本酒は浜松のお酒 花の舞日本刀(KATANA)純米吟醸。海外向けのお酒なので日本では逆に貴重なお酒だ。キレがありながら米の味がしっかりとする。肝焼きと合うのは間違いないと、確信めいて待つこと15分ほどで肝焼き登場。

ほぅ、綺麗。ホタルイカのように並べられて盛り付けが綺麗すぎる。お味も、あっさりと甘くて苦味がない。肝焼きに合わせてお酒の味もスッキリ味へと味覚変化が起こる。いい組み合わせ。鰻重を待つ至福なひととき。

このためにお昼に鰻屋へ来ているようなものだ。

そしてうな重の登場。浜松鰻は関東風と関西風が入り混じるエリアだが、中川屋は関東風。
タレでコーティングされているような一体感のある焼き方で、香ばしくて甘い。高級焼肉丼のような味わい。魚のような気がしない不思議なお重だ。

浜松の鰻は奥が深い。

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★★☆☆☆ まずまずのお店
創:個性的な輝き

2021/06/27

田園調布の隠れ名店

平八東急沿線

飲食店の少ない田園調布。高級住宅街の街、そんな街に鰻の名店がある。「平八」。

1階は焼き鳥屋で、その脇の細い階段を上がるとこじんまりとしたお店がある。高級住宅街とはうってかわって庶民的なお店だ。鰻の香ばしい煙がなければ、居酒屋と間違えそうな店づくりだ。

テーブルが3つほどと小上がりのこじんまりとした家庭的なお店は、すぐに満員になる。
鰻の待ち時間は40分ほど。注文をしてから焼いてくれるベストな鰻屋。
お酒、肴もあるので、一杯やりながら鰻待ち。

さて、お味は。

焼き加減よく、少し濃いめのコッテリ味。大好きな味だ。

あまり取り上げられることのないお店だが、実力のある名店だ。


(再来訪 2021/4/29)
3回目の緊急事態宣言が発令されて、今回はお酒の提供自粛となった。
鰻重を待つ間に酒と肴で至福の時を味わうことができなくなるのは辛い。本当に辛い。

そんな逆境も視点を変えてみようとゴールデンウィーク初日に隠れ名店の平八へ。訪問は久しぶり。

予約はして行ったものの、鰻重を少々待つ。普段ならばここでお酒なのだが、手持ち無沙汰にうな重を待つ。「早く出てこないかな」と、思う。

そっか。そんな風に思ったことはなかったな。お酒を呑まない方はこんな感じなのかな。
と新たな視点をこの機会に見出してみる。

少し鰻を柔らかくするようになったのかな。とそんなことも感じたり。


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★★★★★ 最高峰の味!!    
粋:鰻の前にお酒を一杯

2021/05/01

近隣のおすすめスポット

駅の西側に広がる半円形の町割り

ブラタモリでも取り上げられていたが、計画的につくられた都市もいい。最初は高級住宅ということではなかったとのこと。

ぶらり散歩が似合う街。

好き嫌いは否めない

木屋名古屋市

名古屋鰻は格別だ。育った地の味はしっくりとくる。山崎まさよしの”セロリ”ではないけれど、”育ってきた環境が違うから 好き嫌いは否めない”だ。地焼きに濃い口醤油、一口サイズに切られた鰻、陶器の丼。そしてがっつくのが名古屋流。やっぱり好きだな。

木屋は、江戸時代から続く老舗の鰻屋で、初めて行くお店だったのだが、やはり名古屋鰻だ。カレーライスと同じでうまいとかまずいとかではなくて絶対に満たされる。

残念ながらうざくは無いと言われてしまったので、あてのないまま瓶ビールで喉を潤しながら待つこと15分。蓋つきの丼が登場。丼を片手にかきこむ。

とても満たされた。

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★★★☆☆ おいしいお店!
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2021/04/26

目白のイメージにぴったりな鰻重

ぞろ芽池袋~高田馬場・早稲田

とろけるような鰻。ごはんは口の中でぱらぱらとこぼれる。あっさりタレが鰻のコッテリさとあいからまってじわじわとおいしい。いわゆる品のある鰻重。目白のイメージにぴったりな鰻重。
人によって地域のイメージはさまざまだと思うがハイソで静閑な街、そしてハイソで静閑な鰻重。

目白駅を出て学習院と反対側へすぐ。おそろしいくらいな駅近。

食べログで見ていた時は敷居の高いお店だと思っていたのだけれど、敷居は高くなく入りやすい。意外と庶民的な香りのするお店だ。

この日は鰻ハムと赤武の純米吟醸雄町で、うな重(上)(3950円)を待つ。共水鰻がお店の推しのようだけれど、スタンダードなお店の味が知りたいので通常の国産鰻を注文。

すぐさまにお酒と鰻ハムの登場。岩塩が添えられている。鰻ハムは浅草のやっこが有名だけれど、ここの鰻ハムは少し小ぶりでコッテリ。口の中で脂が広がる派手な味で、少々お塩をつけると引き締まる。対する赤武も負けずと吟醸香しっかりで、派手な味同士の組み合わせが食欲を引き立てる。


この日は人間ドックの帰り道で禁欲後の開放感。晴れた春のお昼前。ほろ酔いでのうな重待ちが楽しくて至福すぎる。

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★★★★☆ 名店!また行く!!
粋:鰻の前にお酒を一杯

2021/04/23

近隣のおすすめスポット

目白庭園

閑静な住宅街にある小さな庭園。春の晴れた日は心地よい。池の辺りでお弁当を食べる姿もちらほら。満腹のあとにゆったりと休憩をするのにちょうどいい。

目白庭園

気取らない中の気品。これぞ老舗の強さ。

高嶋家東京・日本橋

創業1875年の老舗の鰻屋。老舗とはいえお店に入ると庶民的なたたずまいで家庭的な雰囲気。そんな空気感に気を抜いていると、お通しは高級店の一品目のような煮凝りが出てきて驚かされる。気取らない中の気品。これぞ老舗の強さかな。

お酒の種類が豊富なのでお酒選びも楽しめる。この日の注文は、宮城の銘酒伯楽星と鰻の南蛮漬け、鰻重の梅(3450円)。鰻の南蛮漬けは、鰻の頬肉(えり)をカリカリに揚げて南蛮酢と和えたものとのこと。珍しい逸品。酒欲が高まる。

お通しの煮凝り、南蛮漬けに伯楽星のスッキリとした爽やかさが合う。伯楽星は主役を支える最高の食中酒だ。お昼から頬が緩む。久々にやってきた鰻重を待つ至福なひととき。

年明け早々に緊急事態宣言が出され、3月末まで宣言は続いた。
それによって鰻屋探訪も中止をしていた。4月になって今年初めての鰻。待ちわびた鰻屋。
そんなことに思いを巡らしながら、久しぶりに土曜のお昼のまったり感を味わう。

さて、注文してから20分ほどで真打の登場。

うまい。これだこれ、これが鰻重だ。
柔らかい身、あっさりしたタレ。ご飯がおいしい。やや硬めで1粒1粒の食感があり、とろける鰻との相性が抜群。

久々に鰻屋を堪能。
店員さんも明るいし、着物姿の女将に空気が締まるし、職人気質を感じる鰻重と逸品。素敵な老舗でした。
 

 

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鰻屋さんもこのご時世で大変だと思います。心から応援します。
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★★★★☆ 名店!また行く!!    
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2021/04/04

新丸子の街鰻

安川東急沿線

小さな一軒家の鰻屋に大将と女将の長年の間柄が凝縮されている。東急東横線で多摩川を渡ってすぐの新丸子。武蔵小杉の高層ビル群と多摩川の間にある、こじんまりとした住宅街に50年の歴史を持つ街鰻。

手狭ながら綺麗に整った3つのテーブル席とカウンター6席。お世辞にもゆったりとは言えず、カウンターに腰を下ろすと調理場との距離が近いので緊張感はあるが、街鰻屋の親しみやすさともいえる。カウンターの中で鰻を焼く大将とお膳を整える女将。

冷え冷えとした年内最後の土曜のお昼、銘柄の書かれていない日本酒を熱燗、そして鰻の煮凝り、鰻重の鶴(3470円 )を注文。

熱燗と煮凝りがすぐに登場。その大きさとボリュームに面食らう。鰻の内臓が詰め込まれた大きな煮凝り。出汁の味は軽めなので少し物足りなさもあるが、熱燗との相性はいい。

日本酒の銘柄はわからないが、聞くのも野暮というもので、大将の鰻を焼く姿を見ながら大きな煮凝りを食べるピッチを上げながらお酒を進めること15分ほどで真打登場。

箸を入れるだけで、鰻の柔らかさがわかる、そしてご飯も軽やかにほぐれる。
口の中でトロトロと崩れる柔らかい鰻。甘辛いたれ。こだわりのお米。まさに関東鰻。

実はこのお店には、10年以上前に何回か来ていたのだが、時間が経つと感じ方が変わるものだ。自分が変わったのだろうか、お店が変わったのだろうか。無常なり。


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★★★☆☆ おいしいお店!
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2020/12/27

粋に鰻をかきこむ

うな正秋葉原・神田・水道橋

サッとお店に入って、サクっと鰻丼をほおばって、ササッと店を出る。これが出来るお店がうな正だ。

19時過ぎに訪問。神田駅からすぐの繁華街の中。
店内はいびつなJ字型カウンター。すぐに鰻が出てくるお店なので食前に一杯やるのは野暮なのだろう、席に座ると同時に「うな丼ダブル」。ご飯の中にも鰻が埋まっている丼で、1880円也。
5分足らずでうな丼の登場。さっそくいただく。

ご飯は硬めで、タレは醤油のきいた味。鰻は蒸しが強めでとても柔らかい。
味わうというより、ガッつく鰻だ。

これくらい気楽に立ち寄れる鰻屋が減っているのは間違いない。
メニューには串ものも豊富なので、夕方前には一杯やるのもいいかもしれない。

貴重な鰻屋だ。

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★★☆☆☆ まずまずのお店
衆:気軽に立ち寄れる鰻

2020/12/05