薪焼うなぎ 銀座おのでら 本店

焚き火の香りで満たされた鰻屋さん

薪焼の鰻?赤ワインを使った特製だれ?実に興味深い。赤坂見附にある薪焼うなぎおのでら。東京銀座を中心とした鮨、天ぷら、薪焼などを展開する言わずもがなのフード事業グループで、ミシュラン獲得もある権威のある日本の食文化企業だ。そんなおのでらがプロデュースする薪焼うなぎとは何ぞや?、と訪問。

道路に面した焼き場はガラス張りで薪焼きの様子が外からも見られる。薪の炎の上で鰻が焼かれている。網で挟んで表裏を焼く。大胆な焼き方だ。まるでキャンプのバーベキューのようだ。そして、店内に入ると薪焼の香りが充満。意外だったのは、店内はチェーン店のようなカジュアルさで、カウンター8席と奥にテーブル席、焼き場を含めて女性3人で切り盛り。注文はQRコードで携帯からで決済もセルフ。高級店をイメージしていただけにギャップに驚き。

まずは、「ひれ焼き」と「うなキム」を注文。お酒はみむろ杉純米吟醸。奈良のお酒だ。うなキム?何ぞや?

ひれ焼きは串ではなく、ヒレをそのまま焼いたもの。串のようなねっとりジューシー感はなく、軽く食せる肴だ。骨せんべいのような軽さがあり、骨せんべいにはビール、ヒレ焼きには日本酒と言っていいだろう。麻布しきのヒレ揚げとも違った味わいだ。

そしてそして、気になっていた「うなキム」。うざくのキムチ版と表現できるだろうか、キムチの上に短冊状の鰻が4切れ。邪道感はあるがうまい(笑)。キムチを日本酒は合わせづらいものなのだが、この組み合わせはなかなかいける。思わず微笑む、アッパレ。

そして真打の薪焼のうな重の特上(5000円)。1尾の鰻がお重から飛び出るはみ出し鰻だ。香ばしく焼けているのが焼き魚のようで個性的。赤ワインを使った特製だれはさっぱりはしているものの、甘いタレ。岡谷鰻のタレに近い。満足感の高いうな重だ。

メニューは4ヶ国語でレジは無人決済。インバウンドを意識した合理的なオペレーションと店舗運営で、今どきの鰻屋と言えるだろう。応援します。

おいしいお店

個性的な輝き

初回訪問日:2025/04/29

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