阿づ満や

「まあ綺麗!」な鰻

お酒に合わせてお新香を先に出してくれる。これがうれしい。もともと鰻にお新香が付くようになったのは、鰻屋が焼きあがるまでの間の酒の肴として出されたのが発端とか。せっかちな江戸っ子の絵が浮かぶ。

阿づ満やは阿佐ヶ谷駅の北側の迷路のような細い路地にたたずむ細長い2階建てで、1階は小上がり2卓、テーブル1卓、壁向きのカウンター4席の細長いお店。中央線の飲み屋風情があり、店員さんも気さくだ。

うな重の上(4800円)とともに、きも煮と浦霞のお燗を注文する。
きも煮は細かな肝を薄味で煮込んでいてさっぱりとしている。いわゆる飲み屋の煮込みのこってりさとは真逆だし、汁気もない。見た目と違って少し物足りなさを感じるくらいなのだが、辛口のお燗とお新香のトライアングルだとほどよくまったりとした鰻待ちタイムになる。

25分ほどで真打登場。
蓋を開けると「まあ、綺麗」と思わず言いたくなるくらいにツヤと輝きのある鰻。蒸しが強めで柔らかく、熱めのご飯で口の中がホックホク。
肝吸いは椎茸入りだったので、椎茸風味が強いかと思いきや、あたりのやわらかい優しい味。

阿佐ヶ谷という場所柄と細い路地からがさつな大味のイメージをしたのだが、すべてが丁寧なお店だ。

おいしいお店

鰻の前にお酒を一杯

初回訪問日:2022/03/05

食べログ情報

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