相住食堂

小田原の昭和レトロな鰻屋食堂

メニューにはカツ丼やチキンライスもあるが、メインは鰻。小田原の昭和レトロな鰻屋「相住食堂」。
創業は昭和6年(1931年)。100年近い歴史を持ち、時代を乗り越えてきた自負を感じる。昭和レトロな食堂ながら、うなぎは本格派。そしてカツ丼、天丼、親子丼、チキンライスもある。このメニューのバリエーションこそ、昭和を生き抜いた証だろう。

昭和初期は、洋食が一般大衆の間に浸透し始めた時代である。当時創業した食堂にとって、鰻と同時にハイカラでモダンな洋食(カレーライス、チキンライス等)を提供することは、時代の先取りの証だった。そんな時代の反映が、このチキンライスに現れているのだろう。このようなお店は、今の時代には希少な価値がある。

お店のたたずまいは、蕎麦屋を彷彿させる白い壁に濃い茶色の木枠が四角く組み合わされた、昔ながらの和風テイスト。だが看板には「うなぎ」の文字、暖簾には「お食事処」とある。店内はテーブル4卓に小上がり3卓というこじんまりとした造りで、天井隅に置かれたテレビからはお昼のニュースが流れている。接客の女性店員は、昭和から続くであろう食堂らしい白衣の給仕服姿である。

この日の注文は「冷酒」と「鳥わさ」、「うな重」。

食堂に鳥わさがあること自体が異質だ。メニューには鳥刺しもある。混同しがちだが、鳥わさと鳥刺しは違う。生のささみにわさびを乗せて食べるのが鳥刺し、わさび醤油で和えてこってりさせたのが鳥わさ。酒が進むのは鳥わさのほうだ。おそらくこの店では、昼飯にカツ丼や天丼、親子丼を食べるか、あるいは鳥わさ・鳥刺しで一杯やってから鰻へ進むのが王道なのだろう。
鳥刺しのほうがさっぱりしているのでうな重の前には合わせやすいのだが、私の直前に入ったお婆さんが、「うな重、とりわさ、ビールの中瓶」と注文したのが粋に見えて、つい引っ張られてしまった。
お酒は、日本盛の生貯蔵酒、300mlの瓶。日本酒があまり頻繁に出されない店であれば、このタイプの瓶詰め酒がいちばん安定している。
そしてすぐさま鳥わさが登場。上品な味わいとは言い難いが、刻み海苔とからまったわさびの効いた鶏肉が、酒を進める良い肴になる。気取っていない味がいい。

注文から30分ほどして、いよいよ真打登場。アルミのお盆で運ばれてくるのも、レトロな雰囲気を醸し出す。
蓋を開ければ、綺麗な焼き目。やはり本格的なうな重だ。一口食べるとその柔らかさに驚く。見た目の香ばしさとは裏腹に、蒸しが強くほろほろととろける柔らかい鰻。ご飯は柔らかめで、醤油風味の強いタレがたっぷりかかっている。小田原に根付く江戸の味。庶民的で親しみのあるうな重だ。

気取らない雰囲気が落ち着く相住食堂。次はチキンライスを食べに来てみたくなる、そんな鰻屋だ。

名店!また行く!!

気軽に立ち寄れる鰻

初回訪問日:2026/07/07

食べログ情報

相住食堂

関連ランキング:うなぎ | 小田原駅緑町駅

探訪記をシェアする