うなぎ荒井

愛おしい鰻屋

このお店の大将は1人で焼いて、出前が入れば自分がカブでひとっ走り。それゆえに出前が入っていると訪れたお客さんへ「出前が入っているので少しお待ちいただきますけど大丈夫ですか?」となる。出前の間は焼きがストップするのだ。全く持って非効率的なのだが、地元を大切にする愛すべき街鰻のお店だ。

この愛らしいお店は神奈川の鶴見駅から徒歩5分ほどの鶴見川の脇にある。小上がり3卓とテーブル席2つのこじんまりとしたお店で大将と女将さん、女性の店員さんの3人で切り盛りをしているようだ。
開店時刻の11時半に入って、うな重の松(3400円)、そしてきも焼、冷酒は菊正宗の生貯蔵酒を注文する。30分ほどかかるとのことなので落ち着いて一杯できる。

きも焼もお酒もいたって普通なのだけれど、このオーソドックスさがたまらなく落ち着く。これがいいのだ。ゆっくりと鰻重を待とう。
と、そんなこんなでまったり呑んでいると、冒頭のくだり、出前が入る、そしてその後はお客さんへ時間がかかる旨をお伝えしている。それでも、お客さんは入って満席。みんな時間がかかってもいいのだ。

この日1番目の私のうな重が出来上がると、他のお客さんの鰻を焼く前に、カブに乗って出前へGo。イカしてるぜ。

で、うな重のお味はといえば、関東一の辛さと思えるほどで甘さは皆無。一口食べると橋が止まらずにパクパクといける。普段は鰻重を食べながらお新香に手を出すことはないのだけれど、思わずお新香で箸休め。このうな重は癖になりそう。

またしても電話が鳴る。出前を受けちゃってるよ。

うなぎ荒井、大好きです。

名店!また行く!!

個性的な輝き

初回訪問日:2022/06/07

食べログ情報

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