こんな立派なヒレ焼きは初めて見た。まさに屋号のとおり江戸一。
何重にもまかれたヒレは、ニラは混ぜ込まれておらず鰻のヒレ100%。しかも太い。
表面はカリっと焼かれていて中はねっとりトロッとした味わい。まさに頬が落ちる。トゲと小骨をしっかりと噛みしめるので、それで旨みが増す。さらにはザ・日本酒とも言える剣菱で味を引き締める。小洒落た日本酒よりも剣菱のようなオーソドックスな日本酒がぴったりだ。
鰻の串焼き専門のお店でヒレ焼きは定番の焼き物だが、江戸一のヒレ焼きは一味も二味も違う。
最高。
そしてうな重は、柔らかく蒸された鰻と少し辛めのタレがマッチして江戸らしいうな重。無心でパクパクと食べてしまう。申し分ない。
江戸一は雑司が谷霊園の隣の閑静な住宅街にお家のようにたたずむ。2席のカウンターにテーブル席が2つ、それと座敷のこじんまりとした清潔感のある綺麗なお店。家族経営のようで大将が料理をし、接客はお母様がほのぼのとした雰囲気であたたかい。
鰻は注文が入ってから調理をする本格派で、鰻重を待つ40分の間にお酒をたしなみながらうな重を待つ。お新香も先出し。
まさに私にとって理想的な鰻屋。
ヒレ焼きだけでなく、肝焼きも立派なようなので、次は肝焼きを。ヒレわさも気になるが。
すばらしい鰻屋へ出会えた。
あえていうならば、ご飯へのこだわりがもう少しあると最上級の最高。
また来よう。