いまどき2400円で1尾の本格的うな重が食べられるなんて稀有なこと。お値段以上間違いない。
東横線白楽駅から六角商店街を抜けたところにある浜茂。名店ゆえに開店前にはお店の前に人が並ぶ。まん防明けの土曜のお昼、開店時刻の11時半には6組の鰻を待つお客さん。
開店直後は一斉に注文を取るので忙しくなる。女将さんがてんぱり気味に動き回る。微笑ましいせわしさ。
目当てにしていた「肝の煮こごり」は本日はやっていないとのことで、それなら「かぶと焼き」と言ってみるものの、こちらも残念ながら本日は提供していない。気持ちを切り替えて厚揚げとお燗を注文。鰻屋の肴らしくないながらも結構いける、表面がカリっと香ばしく焼けていて中は熱々ホクホク。この焼き加減は鰻の焼きも期待できる。
店内を見渡すと、1階はL字カウンター8席とテーブル1卓。2階席もあり2人以上のお客さんは２階へ案内される。カウンターの前には素焼きの鰻串がぎっしりと並び、注文後に蒸して焼く。店頭ではテイクアウトもしているようなのでこれだけ多くの鰻も捌けるのだろう。壁にぶら下がった日めくりカレンダーの懐かしさもある。よく見ると浜名湖養魚漁業協同組合。
と、ぼーっとしていると25分ほどでうな重の登場。
これで2400円？と驚くほどの鰻の大きさ、焼き具合。香ばしいというよりはしっとり柔らかい鰻。タレはあっさり控えめだが、決して物足りなくはない落ち着いたうな重。
こんなに良心的な鰻屋は他には無い。
