「お見事。バランスが絶妙。」と笑顔になれるうな重に出会えた。
埼玉県ふじみ野にある一味亭。駅より10分ほど歩いた閑静な街にある青々とした庭の雅な日本造りの建物。お店に入ると若女将がマスク越しでもわかる笑顔で迎えてくれる。
大人数でも集まれるお店のようだが、平日の開店早々なのでとても静かで落ち着いている。心地よい。平日の鰻屋はこれがいい。
さて、うな重の3枚のせ（4600円）と肝煮と峰の白梅をお願いする。「峰の白梅」は若女将のおすすめらしく、写真入りPOPが置かれている。このお薦めに乗らないわけにはいかない。初めて呑む銘柄に心躍る。
さっそく出てきた峰の白梅をお猪口に注ぐとマスクをしていてもわかるくらいに甘いフレッシュな吟醸香がする。甘すぎるかなぁと思いながら一口やると、最初の印象とは違ってキリリと引き締まった味で新潟らしさがある。可愛さがあるけれども芯のあるお酒。これは面白い。
そして肝煮の登場。今度は生姜の香りだ。見た目通りの大人の味でお酒がなければ食べないな、とも思うくらいに酒の肴。無骨な親父と芯のある生娘のような組み合わせ。いいコンビだ。
肝煮とお酒が空いた頃に真打登場。ベストタイミング。
一口食べると、とても絶妙。タレ、ご飯、焼き、蒸し、すべてがいいバランス。箸がサクッと入って皮まで綺麗に切れるし、パラパラと口の中でこぼれるお米に、濃すぎず薄すぎずなタレが絡んで後味の余韻が笑顔になる。
さらにはお新香にも手が込んでいて筍を使っている。これはお酒と合わせたかったな、と思ったり。
お会計を済ませてレシートを見ると「ハレの日のうなぎ屋」とのキャッチコピー。
お見事です。
鰻を食べるからハレの日になるとも言える。
