背開きの地焼き。表面がよく焼けていて中がふっくら。タレは静岡のあっさり感ではなく、濃い味で名古屋味に近い。ただし背開きで名古屋とも違う。他とは一線を画す静岡鰻だ。
静岡県は東に三島、中央に静岡市、西に浜松と鰻の街が多い。
3つを比べてしまうと中央の静岡市は他にもうまいものが多いので鰻イメージが弱いが、そうは言ってもなかなかの鰻の街だ。
かん吉は静岡市街からは少し離れるが、食の美味しい清水の鰻屋。屋号の由縁は創業者の乾さんに吉が訪れるようにと名付けられたらしいかん吉は、静岡駅から静岡鉄道の御門台(みかどだい)駅から坂道を5分ほど登ったところにある一軒家。近い距離ながらも坂道はなかなかにしんどい。店内は、テーブル4卓と長テーブルが1つ。広くはないが、清潔感があってお店の方も感じがいい。気持ちいお店だ。
肝煮をいただこうと思ったが、この日は肝が終了とのことでう巻きと静岡のお酒、花の舞生酒、特選うな重を注文。
注文早々にお酒とう巻きが登場。このサイズのう巻きは鰻前(うなまえ)にちょうどいいサイズ。味の濃いう巻きと頑丈な味の花の舞。相性がいい。地焼きのお店なのでうな前のピッチをあげてうな重を待つ。
10分ほどで特選うな重(5250円)が登場。地焼きとお重の組み合わせにはどうしても違和感を感じてしまうのだが、静岡の地焼きはこれが多い。とはいえいい焼きっぷりだ。
静岡の鰻屋は花の舞が多いように感じるが、それは浜松で鰻を食べることが多いからか。と、勘違いだなっと、ふと思う。
もう少し静岡のうまいもんを食って帰ろう。