残暑極まる8月最後の土曜日のお昼、暑さにに寄り添ってぬる燗がいい。ぴったりの肴があればなおさらだ。
サッパリとした「鰻のバラ身のポン酢かけ」と、ねっとり濃い味の「鰻のレバー煮」、酒は「曽我の誉」純米酒のぬる燗。米の甘みを垂れ流すお酒とあいからめて、鰻重を待ちながら頬が落ちる。
ほのぼのとした街、桜新町。通りはサザエさんであふれていて、酷暑の中でも心が和む。長谷川町子さんも通ったと言われる川信は桜新町の駅を出てすぐ。ビルの2階にあって、太陽の陽を浴びて店内も明るい。お店の方々もテキパキとしてて親しみがあり、とっても感じのよいお店だ。入店早々に心が弾む。
注文は、うな重の上(3700円)、お昼は2割引きというのが驚く。
20分ほどで真打登場。
まず驚いたのは付け合わせが3段になっていること。なんと豪華な。これだけで一杯やりたくなるほどだ。
で、実際にうな重を食べた後に一杯やることになる。この付け合わせは鰻重を食べる間は手を触れず、食後に川信名物の銘打たれた「うな酒」を注文。熱くしたお酒に鰻の短冊を炙っていれたもので、ふぐのヒレ酒に近い。香ばしさと絡めていただく。昼からの熱燗に気分上々。
そして、真打のうな重はとても香ばしく焼かれていて好きだ。身の厚い鰻ではないのだが、カリっと焼かれていて、東京でここまでの焼き具合はなかなか無い。お米も口の中でパラパラとよい塩梅だし、醤油の効いたタレも申し分ない。
と、うな重前、うな重、うな重後、とどれも十分に楽しませてもらって大満足。
鰻重の後に一杯やるなんて、思いもしなかった。
ちなみに、東横線都立大学駅前にある川信とは親戚とのこと。だからか。合点がいってすっきりした。