のどかな住宅街にある鰻屋。店員のみなさんの接客が良くて気持ちいい。そして鰻の味もいい。こんな鰻屋がある住宅街に住みたい。
川崎市のベッドタウン鷺沼駅の北口を出て、いかにも郊外らしい街路樹のある坂道を10分ほど歩くと菊水はある。5月末の青空の中、爽やかな風が心地いい。
土曜のお昼12時には満席で3組待ち。街の人気店だ。
座敷2つにテーブル席2つ。混んでいると相席にもなる小じんまりとしたお店だが、揃いの赤Tシャツの３人の店員のお姉様方はテキパキかつ感じが良いいので気持ちは落ち着く。
注文はうな重の大串（4950円）と、肝の佃煮、そして菊水の純米酒。うな重は小串、中串、大串、特串とあり、重箱のサイズは同じで全て１匹の鰻とのこと。半身、４分の３のような違いのお店は多いが、鰻１匹の大きさ違いらしい。ご飯の隠れる面積が異なるとのことでわかり安い表現だ。
まずは即座に菊水の登場。升にグラスを入れてモッキリだ。溢れんばかりに盛りきることからモッキリというが、あふれ出た升にも並々と注がれているので1合以上はありそうだ。お通しはこんにゃく煮。素朴な鰹出汁がきいてお酒のあてに最高、お吸い物ものもおいしいに違いない。肝の佃煮は山椒の実入りで甘さの中のパンチが暴れん坊の菊水とはぴったりだ。
25分ほどで真打登場。お重に敷き詰められた鰻が食欲をそそる。箸の通りがいい柔らかい鰻。タレはさっぱりで少なめだが、むしろそれがトロッとした蒸し具合と脂のノリ具合が引き立たせる。とてもうまい。そのため、ご飯はやや多めなのだがパクパクと進む。お吸い物も想像どおりの素朴でいい出汁だ。すばらしい。
住宅街にある小じんまりとしたお店ながらも、本格派。味よし人よしのいいお店。
