うなぎ処 おお葉

「うなぎ処」で「うなぎ重」を

「うなぎ処」。言葉の響きがいい。うなぎ屋でも鰻屋でもなくうなぎ処。そしてお重も「うなぎ重」。うな重でも鰻重でもなくうなぎ重。「うなぎ処」と「うなぎ重」。やさしく寄り添ってくれている印象のする言葉遣い。「おお葉」はまさにそんなお店で、入店するとまずは女将があたたかく声をかけてくれる。

神田駅前には鰻屋が連なる「うなぎ通り」がある。宇奈とと、うな正、おお葉、が30m内に並ぶ。それぞれのお店は趣が全く違うのでカニバルことはない。この中でおお葉はもっとも落ち着いてる本格うなぎで、関東鰻の雄、野田岩の流れを汲む正統派な鰻屋だ。少し前までの屋号は、「かね本 野田岩」。

この日の注文は肝の煮こごりと菊正特選のひや。そしてうなぎ重の竹(4100円)。焼き身ではなく肝の煮こごりとはなかなか珍しい。煮こごり好きの私にはたまらない。口の中でとろける旨味が、舌の奥の両端でヒクヒクと頬を落としそうになる。そしてオーソドックスなひやの酒が綺麗にあう。

そして食べ終わる時を見計らったようにうなぎ重の登場。野田岩の流れを汲むだけあって、串の跡、焼き姿が野田岩に似ている。柔らかい蒸され具合やタレもあっさりで、こちらも本家譲りか。

梅雨の明けた炎天下。
そんな日は、うなぎ処でうなぎ重がいい。

おいしいお店

気軽に立ち寄れる鰻

初回訪問日:2022/06/29

食べログ情報

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