「庶民的ながら本格派な鰻屋」というのがピッタリな言葉だ。
お店に入ると着席もしないうちから「お茶をお持ちしますね」と愛着のある接客。
「お酒をいただきたいんでね、お茶は後でいいです」と本日もお昼からお酒をいただく。平日の11時、口開け客。
北千住の昔ながらの呑み屋街を通り抜けた先にある、真っ白な異質な新築シティマンションの目の前にある鰻屋さん。
寡黙な大将とは裏腹にお姉様方3人が賑やかで気さくな接客、このバランスが庶民的ながらも本格派の鰻屋の雰囲気を醸し出す。
うな重特上(5000円)は、お値段は庶民的とは言い難いが、お米のうま味とパラパラ感のある炊き具合、あっさりタレに江戸らしい柔らかい鰻はまさに本格派。
しっとりとした優しい鰻重。
驚いたのは食前の肝焼き。密度の濃い立派な肝に普通の日本酒がうまい。
そんな鰻に安心して、ほろ酔いでうな重を食べていることを忘れてしまいそうなくらいに穏やかに没頭してしまう。
食べ終わりごろの11時半には3組の客が入っておりお昼からにぎやか。
旧宿場町北千住は今でもいい喧騒だ。