麻布 しき 本店

本格味ながらも鰻屋っぽくないお店

志村けんさんが贔屓にしていたと言われる麻布十番の「しき」。ただ、建物は建て替えられて、細長い雑居ビルの3階にひっそりとたたずむ。通り沿いに鰻屋の看板は無く、ビルにつけられたお店のプレートはスナックのようなたたずまい。それゆえに鰻屋風情は無いのだが、うな重の味はさすがだ。このギャップがとても愛おしい。

エレベーターを3階で降りると店構えもなく、すでに店内。テーブル4席と調理場だけで機能的。

ランチうな重(5200円)、鰻前の肴は鰻ヒレ唐揚げ、そして福島の酒、風変わりな名前の楽器正宗を注文する。
すぐさまににお酒が出てきたあとに、ヒレ唐揚げが登場。

「こうきましたか」と感嘆する見てくれ。これは初めて見ました。ヒレっぽいヌメリや小骨感は無く、鰻重を待つにはちょうど良い軽やかさ。似たような肴に骨せんべいがあるが、骨せんべいよりもさっくり感があるので日本酒にはこちらの方が合わせやすい。楽器正宗の甘さ、微発砲加減とはピッタリ。思わず笑みが出る。

そして15分ほどで真打ち登場。

お重は小さめだが高さがある。
肉厚がしっかりとした食べごたえのある鰻。蒸してある鰻だが、地焼きのような身の強さがある。ご飯はホクホクで醤油の強みのあるタレ。
お吸い物では無く味噌汁なのだが、出汁がうまいので良い合いの手になる。
モリモリとうな重が進む。

鰻屋風情は無いが本格味の名店だ。これはこれで楽しい。

おいしいお店

個性的な輝き

初回訪問日:2024/02/10

食べログ情報

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