親子でそれぞれが鰻屋を開いている、それも目と鼻の先。「うな天」と親父さんの「昔の鰻屋」は細い通り沿い30mの距離にある。張り合うというわけではなく、好き好んで近くにいるように感じて微笑ましい。
親父さんの庶民的な家屋とは対照的に、古民家をリノベした家屋で、店内は天井が高く、座敷の個室が並び高級感がある。
平日ながら開店の11時からお客さんが多くて繁盛している。
肝焼きは本日はやっていないとのことで、肴は「うなぎの骨せんべい」と愛知県の銘酒「蓬莱泉の可(べし)」。そしてうな重の上(3600円)。
可はシャキッと切れ口のいいお酒で塩気のある骨せんべいとぴったり合う。まさに「♪やめられない、とまらない♪」。
うな重の登場は注文から20分ほど。
鰻は背開きの地焼きで甘めのタレが鰻の身にしっとりと絡む。これが息子さんのうな重だ。
ただ少し残念だったのが御膳ののせられた重箱が上下逆さだったこと。うな重は手前に頭側の身で奥が尾の方の身、そして頭側は向かって左、尾の向きは向かって右が通例。これは魚の盛り付けと同じであることと、脂ののった頭部分を最初に食べられるようにされているためなのだ。
重箱を180度回転すればすむはなしではあるのだが。
親父さんのお店に軍配か。