柳ばし

創業100年の老舗、うなぎ食堂

創業は大正13年(1924年)というから今年は100周年。「うなぎ食堂」とうたい、鰻を中心に天ぷらやアンコウ鍋も手がける地元に根ざす鰻屋だ。3代目が鰻担当で4代目がお酒や一品料理を充実させているとのこと。そして女将が接客という家族経営の老舗だ。

祝日の12時前に到着すると、年配の常連と思わしき方々が鰻前のお酒を落ち着いて楽しんでいる。穏やかで暖かい空間。着席するだけでそれを感じる。

肴の種類は豊富なのだが、鰻前は鰻逸品を肴にしたい。う巻きをお願いする。そしてお酒は喜久泉。田酒をつくる西田酒造店のお酒。蔵が同じだけあって田酒に通づる甘さと旨み。田酒よりも軽やかで呑みやすい。お通しは五目ちまき。これはうまい、期待が高まる。

お客さんのお酒の飲み具合もほどよく、時折挟まれる女将との会話から、敷居は低いものの品のいい呑みの場であることがわかる。これが家族経営で100年続く老舗の所以なのだろう。

お通しに続いてう巻きの登場。う巻きは鰻と卵の対決感が強いので敬遠しがちなのだが、柳ばしのう巻きは、卵焼きの香ばしさと鰻の香ばしさが絡み合ってお酒が進む。思わず笑みがこぼれる。卵焼きはお店のかなめとなる出汁がしっかりと現れるので、心して味わう。

そして真打登場。

うな重の松(4200円)。
柔らかくて江戸らしいうな重。タレはあっさり目で飽きがこないので、う巻きで膨れつつあったお腹にてもパクパクと箸が進む。香の物は酸味が少なくてマイルド。お重全体として食べやすくなっている。

鰻重だけでなく、お酒、一品料理、お客さんの雰囲気、すべてを通して満腹、満足。
老舗とはいえ敷居はとても低く、しかしながら気品がある。100年続く家族経営の老舗は伊達じゃない。

名店!また行く!!

鰻の前にお酒を一杯

初回訪問日:2024/01/08

食べログ情報

探訪記をシェアする