諏訪湖は東西鰻の境界線

東京から特急あずさに乗って2時間半の諏訪湖畔、岡谷と諏訪には鰻屋がたくさんある鰻の街だ。
岡谷には「うなぎのまち岡谷」といううなぎマップがあるほどで、古くから諏訪湖・天竜川の漁業が盛んで鰻料理や川魚料理が郷土食として親しまれているらしい。

湖周辺で鰻がよく食べられているだけならばよくあることだが、興味深いのは、湖西の岡谷と、湖東の諏訪では鰻の料理方法が異なっているということ。
西の岡谷は地焼きの関西風、それに対して諏訪は蒸してから焼く関東風なのだ。ちなみに岡谷鰻は関西風とはいえ、腹開きではなく背開きなので、少しだけ関東風情を残している。

それではタレの味はどうなのか?
岡谷・諏訪の名店、水門と小林を比較すると、いずれも甘いタレだ。水門は地焼き鰻とからみやすいようにねっとりとした甘さで、小林はさっぱりとした甘さ。これは川魚の佃煮などに通じる甘さと思われる。つまり地に根付いた甘さだろう。

味付けの根底は似ているものの、調理法が異なっている岡谷と諏訪。
さらにこの境界線を考えるうえで興味深いのは、諏訪湖からは流れる天竜川は、流れ出ては浜松にたどり着くということ。
浜松も関西風と関東風が混在する街。
つまり諏訪湖から天竜川の南北ラインが関西風、関東風の境界エリアになるのだろう。

それでは北上するとどうなるのか。
松本には関西焼きの鰻屋もあるが、さらに日本海側の境界線はどになるのだろうか。
これまた興味深い。

 

岡谷のうなぎマップ
浜松のうなぎマップ

シェアする