鰻の魚醤で焼いた「いづも焼き」とお酒を合わすべし。
日本橋で昭和21年創業、本館と別館があり、本館はお座敷、テーブル席は別館から。
ここのお店には変わったメニューがある。
まずは、「いづも焼き」。
鰻でつくった魚醤のつけて焼いたオリジナル料理。魚醤は「しょっつる」や「ナンプラー」などが有名な魚と塩で作った発行調味料。大豆でつくると醤油で、魚でつくるから魚醤。大豆などの穀物からつくる穀醤よりも魚醤の歴史は古い。このお店は、ただの魚醤ではなく鰻100%の魚醤。オリジナル調味料で世界に1つのオンリーワン。それで焼いた鰻が「いづも焼き」だ。
もう1つは、「蒲の穂焼き」。
蒲焼の語源については諸説あるが、蒲の穂に由来するという説がある。これは、鰻をまるまる串に刺して焼いた姿が蒲の穂に似ていたためと言われており、これを模したメニューは「蒲の穂焼き」。
(参考)蒲の穂
すべて食べたいところだが、欲張ってもいいことは無い、と心落ち着けて、鰻重といづも焼きを注文。出てくるまでに10分ほどと意外にも提供が早い。
で、お味は。
まずはオーソドックスな味を確かめるべくうな重からいただく。さっぱりとした鰻。変わったメニューのあるお店なので、変化球の味かを思いきや、品のある鰻の味。ご飯の炊き具合も鰻にベストマッチ。
さて、それからいづも焼き。
香りが飛騨高山を思い起こさせる醤油を焦がしたような香ばしさが食欲をそそる。しっかりと焼けていて、舌の上にのせると、ピリリと醤の味。うまい。「先にお酒と合わせて一杯やるんだった」と、思わせる味。うますぎる。次に来る時は、いづも焼きで一杯やってからうな重だ。間違いない。でも「蒲の穂焼き」も食べたい。今から悩ましい。
うな重もおいしいが、是非「いづも焼き」をご賞味あれ。