夏の終わりの残暑。鰻が食べたくなる。築地の路地裏でノスタルジックな雰囲気を出している鰻屋「丸静」。
人がやっとすれ違えるくらいの細い路地に古びた構え、暖簾とちょうちんに書かれた「うなぎ」という文字。ガラガラっと引き戸を開けると、白髪の大将がやさしげに迎えてくれる。店内はカウンター4席に、テーブル2卓のこじんまりとしたお店だ。
カウンターに腰を下ろして、鰻重を注文。調理場では大将1人が鰻を焼く。ここのお店はガス焼きだ。それほど待つことなく、鰻登場。
さて、お味は。
高温で短時間で焼いているので、パリパリと香ばしい鰻。よく焼けている。ガス焼きを非難する人もいるが、そんなに気になるものではない。ガス焼きは急加熱するからパリパリとしていいものだ。タレの味は庶民的なシンプルな味。飾り気、洒落気は無いが、素朴な深みがある。これは大将の人柄なのであろう。おいしい鰻だ。
細い路地裏に名店あり。