岡山の天然青うなぎを求めていざ岡山。
青うなぎとは、背中が深緑色で腹は白色、漁獲量は少なくて鰻10匹から20匹に1匹の割合と言われ、肉質・脂ともに最高に美味と称される幻の鰻。中でも岡山県青江地域の青うなぎは江戸時代から重宝され、青うなぎの「青」は青江からきているという説もある。
岡山の青うなぎがおいしい理由は、児島湾の栄養豊富なアナジャコを主食としているためで、脂もさっぱりとして、身も皮も上品な味わいになるとのこと。川に住むエビやカニとは違うようだ。
そんな鰻を1度は食べてみたいと新幹線に乗ること3時間ほどで岡山に到着。
美魚味(みなみ)は青うなぎとすっぽんを中心にお酒をあつかうお店。美しい魚の味と書いて「みなみ」。呑み屋も兼ねているだけあって、大将は気さくだ。
お店は夜の繁華街にある2階建て一軒家で、1階はカウンター5席、テーブル2卓。2階は座敷個室になっているようだ。
岡山の地酒喜平を注文して、アミ佃煮をあてにして青うなぎを待つ。
待望の真打登場。
腹開きの地焼。見た目でプリプリ感がわかる。引き締まった筋肉質の身に、さっぱりした脂。尾っぽに近い部位の旨味。うなぎは泳ぐときに筋肉を使う尾に近い部分が美味しいというのにも納得がいく、天然鰻ならではだ。そして、お重はタレの味はおさえて鰻の味を中心にしているので後味もいい。
関東の鰻に慣れていると、高級鰻のイメージとは異なる位置づけになるとは思うが、このお重は岡山まで来た甲斐がある。
ただ、忘れてはいけないことは、天然鰻の漁獲量が落ちているために、青うなぎも数が少なくなっていること。
一尾の鰻を大切にしていきたい。