関東最高峰のうな重に出会った。炭火焼きの香りが鰻をほんのりと包み込み、文句なしにうまい。提供時に「最初は山椒をかけずにお召し上がりください」という言葉はもっともで、山椒は本来の香りを壊す。香りも含めて楽しめるうな重だ。
3年前に来訪した際には鰻売り切れで入店できなかった苦い思い出があり、平日の開店早々に訪問しようと張り切って家を出るも、早朝の荒天により電車運休や遅延やらでひやひやしながら開店から20分遅れで到着。ギリギリでカウンターの席にありつける。お店はマンションの１階のためにこじんまりとしていて、２人がけのテーブル６席とカウンター５席と少々窮屈。調理場の奥ではタオルを頭に巻いた大将が鰻を焼く、焼く、焼く。
うな重のメニューは1種類（5280円）。
30分ほどかかるとのことで、お酒は越乃景虎特別純米を300mlのデカンタでいただく。肴の種類は少なく、うなぎの骨揚げを注文すると立派なひじき煮がお通しで出てくる。
キレのいい景虎をハイペースで呑みながら待つこと30分で真打登場。
うまい。うまい。思わずうなる。炭焼きの香りがたまらない。お味も申し分ない。「関東No1のうな重と言えるのではないか？」と思いながらあっという間に完食。お見事。
もうちょっとゆったりとしながらお酒と肴を楽しめたらいいのだけどなぁ、と思うものの、すべてを欲張っちゃいけない。
鰻屋の良さは様々な観点があるが、ここのうな重は最高だ。
