東京では珍しい腹開きの地焼き。しかも鰻を1尾のまま炭火で焼き上げる名古屋式。脂がのったこってり鰻。途中で「満腹〜」と思ったものの、お新香がいい合いの手を入れてくれるので不思議なことにパクパクと食べられて完食。
白山の中嶋。まだオープンしてから日は浅いようなのだが、いいお店の誕生に間違いない。
カウンターと奥にテーブル席が1卓。鰻前肴は、串物。ひれ焼きとカブト、そしてお酒は黒龍純米吟醸。どんな肴にも合うオールマイティなお酒だ。
ひれ焼きは目を見張るほどに太くて立派。表面はこんがりで中はねっとりとしたとろける脂。ひれ焼きの鏡とも言える。
そしてカブトはカリッと焼かれた塩味。噛みしめるほど味が出る。
そして大将が鰻の糠漬けをサービスで出してくれる。糠につけた鰻をバーナーで炙ってくれたようだ。まさに珍味。お酒が進まないわけがない。お酒のお代わりをしたくなるが、お重に備えてここは我慢。
そして真打登場。鰻重の上(5200円)。お重からはみ出んばかりのぎっしり燗。
タレはそれほど濃い味ではないのだが、鰻の脂がしっかりと乗っているのでコッテリ味に感じる。それがパクパクと食べられる所以か。
そして、大将が気さくでありながら謙虚。空気感がいい。