落ち着いているお店だ。かといって敷居が高いわけではなく、店員さんも親しみやすい。
入谷、鶯谷、上野に囲まれた鰻屋さん。蒲焼割烹とということでコース料理が充実しているが、いつもどおり酒と肴から始めてお重。
肝焼きはこの日はやっていないとのことで、肝の時雨煮と櫻正宗の生貯蔵酒本醸造をお願いする。
1人用のお膳の上に肴とお酒。300mlの酒瓶もそれ用の配膳がされていて気品がある。この1枚のプレートでこれだけ雰囲気がかわるのかと感心する。
時雨煮は煮凝りをくずしたようにゼラチンが残っていて、舌がとろけるような甘さ。そして灘のお酒を合わせる。キリリとシンプルな味が、甘さを引き立てる。
煮凝り好きの私にはたまらない。
10分少々で真打登場。
縦に並んだうな重だ。しっかりと蒸されていてとても柔らかい。タレの味もしっかりしていているので、箸が止まらない。
気になったのは鰻の並べ方。縦並びのうな重なのだが、左側に尾の部分が尾を奥にして置かれて、右側は頭側を奥にして配置。通常は左側から食べ始めるので、尾を先に食べることになる。これで食べ方はよいのだろうか。
もし仮に配膳が間違っていて180度回転して置かれていたとすると、頭から食べ始められるが、右側の尾が手前を向くので美しくなくなる。
左側に頭側を手前になるようにして、右側は尾を奥にする並び方だとしっくりとくるのだが。
と、そんなことを考える機会になったうな重だ。