メディアでも取り上げられることが多い「のだや」。それもそのはず、関東近郊の有名鰻料理店に職人を紹介している『野田屋東庖会』直営店で、関東鰻職人総本家の当主自らが料理長。つまり鰻職人の総本家。料理長は体調を崩していたようだが、無事に復帰とのこと。
このお店の良さは、職人気質でありながらも新たなメニューへの挑戦も続けていているところ。うな重と白焼きとセットにして食べ比べができたり、肝とうまきをお重に並べたり、ひつまぶしなどの違う食べ方も。鰻の種類もブランド鰻の共水うなぎや、独自のブランド鰻「わしょう」を用意したり、一品料理も豊富だったりと、攻めの姿勢が気持ちいい。
この日はお昼の早めに行ったつもりが、お店の前で1組がウェイティング。お客さん整備の店員さんが外にいるので、「どこの鰻屋がおいしいか?」と鰻談義をして入場待ち。そうこうしている間に入店。
店内はテーブル席が並び、綺麗で清潔。
初訪問なので注文はオーソドックスに鰻重を。
隣の席に目をやると、お爺さんが長焼きで日本酒をチビチビとやっている。このスタイルに憧れる。年を重ねたら、こういう楽しみをしたいものだ。まだまだ米と鰻を合わせてもらう若輩者、精進できれば。
待つこと30分ほど。さてお味は。
重箱を開けると綺麗な焼き色が広がっている。職人技だ。「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」とはよく言ったものだ。まさにこの言葉を思い起こす焼き。タレは辛め、身のフワフワ感もほどよく、関東鰻の王道の極みがわかる。
見て楽しむこともできる鰻。これができるのは「野田岩」か「のだや」だ。名前も似ている。どちらも名店。