大和田を巡る鰻屋旅。江戸から続く屋号、でもその系図は不思議な局面が多い。
門前仲町、深川不動堂の参道にある大和田。深川不動は千葉成田山の新勝寺の東京別院で「深川のお不動様」と親しまれる寺院。不動の目の前にある大和田は細長いこじんまりとしたお店で、テーブル2つに小上がりで2卓、カウンター5席の庶民的で親しみの持てるお店。
ここの大和田は平成元年創業でうなぎ調理師会の会長から大和田の屋号を許されたのだとか。今は2代目が腕を振るっているうなぎ専門店。
鰻前の肴も揃っていて、ヒレ焼きとうなぎもつ煮と広島のお酒賀茂鶴をお願いする。
丸みを帯びたつくねのような外見のヒレ焼きは、外はカリっとして中はジュルッとジュシーの脂。サッパリ・スッキリとした賀茂鶴で軽快にいただく。うん、うまい。
うなぎもつ煮は、コッテリ甘いタレで昆布とともに煮込まれた珍味。これもサッパリ・スッキリの賀茂鶴と合う組み合わせ。
そして真打登場。松重(3750円)
肉厚な身とは言えないが、丁寧に味つけられた甘味のある柔らかい鰻。うん、やはり江戸鰻だ。
大和田の系統はすべてがつながっているわけではないものの、自然に生まれる江戸味だ。