お店を出た後にさわやかな気持ちになれるお店だ。お味は当然ながら、大将の掛け声からにじみ出る温かさが心地よい。
土日は休業日なので、平日のお昼に訪問。お店に入ると同時に、「蒸し時間で30分くらいかかりますが、大丈夫ですか？」との気遣いのあるお声かけ。でもむしろそれが好み。
店内はカウンター6席に掘り炬燵が3卓、テーブル1席とこじんまりとしていて、大将の温かさ、お店のお姉さんの気配りが店内をつつむ。
注文はヒレ焼きと浦霞、うな重の松（4100円）。
まずはお通しとお酒が登場。お通しはつくねに餡をかけたものだ。とても優しい味で、このまましっぽりと日本酒を呑み続けたくなるような老舗の居酒屋に来たみたいな気持ちになる。そしてヒレ焼きが運ばれてくる。
表面はカリっと焼かれていて、中は柔らかい。ねっとり感や小骨はほとんどなく、丁寧なお仕事なのがよくわかる上品なヒレ焼きだ。これだけマイルドなヒレ焼きはめずらしい。とてもいい。お酒と合わせるとニヤニヤ顔が抑えきれない。
そして待つこと30分で真打登場。
見た目どおりあっさりとしていながらほんのりとした甘さ、とっても柔らかく蒸されていて口の中でとろける。ご飯のパラパラ感との相性もいい。見事な江戸うなぎ。これはバクバクと食べてしまう。
人良し、味良し、雰囲気良し。
始終ニヤニヤとしてしまうお店だ。
