地酒が充実している鰻屋だ。本日のおすすめ日本酒(280円)というのがあるから昼から呑んでしまう。
西日暮里から5分ほど歩いた道灌山にある「稲毛屋」。店内は熊手、招き猫、信楽焼たぬき、酒蔵の前掛けなどが飾られた居酒屋風の鰻屋だが、しっかりとした鰻が味わえる。
カウンター席に着いてお酒メニューを見ていると、早々に「本日のおすすめ酒はどうですか?」と青年が声をかけてくれる。ラベルが華やかな「三芳菊」。呑んだことのないお酒なのでそれをお願いする。そして肴は「肝わさ」、合わせて鰻重(特)(4200円)の関西風を注文する。ここのお店は関東風と関西風が選べる貴重なお店だ。
本日のおすすめ酒は280円(半合ほど)と良心的なサービスが気持ちいい。待つことしばし、肝わさの登場。お通しは昆布。どちらもおいしそーぅ。まずは、肝わさとお酒。しっとりと落ち着いた味ではあるが、少し癖を残した大人の味。いい肴だ。三芳菊も旨い。甘めの味がしっかりしていて肝わさとピッタリ合う。昆布もいける。いいお店だ。
そして真打、鰻重の登場。背開きの地焼。地焼ではあるものの、カリカリの香ばしさではなく、しっかりとした肉厚が強調された焼き方だ。タレも濃すぎず、薄すぎずのバランス。思わず「うーん、旨い。」これもいい。
さらには驚きは香の物の豪華さ。鰻重を食べた後に、香の物でもう1杯「育子の酒」。「お重を食べた後に一杯やるか?」と自分へツッコミながらも心地よいのお昼鰻。