大和田

江戸番付の大和田?

江戸界隈の鰻屋で大和田という屋号を見ると、江戸時代から続くお店なのでは?と思ってしまうのだが、ここ新橋の大和田は明治26年創業とのこと。
今の時代に番付といえば相撲だが、江戸時代にはさまざまなものを番付にするのが流行ったようで、鰻屋にも例外なく番付があり、そこに出てくる大和田は江戸の鰻屋の中心だったのではないかと思えるものだ。
江戸前大蒲焼番附。行司には大和田の名前が並ぶ。
(余談ではあるが、東の前頭に浅草の「前川」や「明神下神田川」「喜代川」が載っている。)

大和田のホームページにも記載があるが、江戸時代の大和田とのつながりはみられないとのこと。とはいえ、明治から続くお店なので老舗である。明治からある大和田ならば、江戸からの縁が何かしらあるのではないかと勝手に思いを巡らせる。

お店は、新橋の飲み屋街の細い路地にあり、新しくて清潔感のある綺麗なお店で、気軽に入りやすい。老舗っぽさはなく、飲み屋街の鰻屋さんと思っている人もいるだろう。
店内はボックス席が2つとテーブル席が6つ、奥に座敷もあるようだ。

この日の注文は、鰻の煮こごりと西の関の純米酒、鰻重の竹(4100円)。店員さんが親切に「鰻重は10分ほどで提供できるのですが、すべて一緒にご提供しますか?」とのこと。よくわかっていらっしゃる、お重は後でまずは一杯。

やはり煮こごりは、心が穏やかになる。後味の余韻がたまらない。それに合わせる西の関は、日本名門酒会の「鰻に合う酒」で殿堂入りをしているお酒で、ふくよかさとと落ち着きのあるお酒だ。いい組み合わせ。

そして真打登場。
柔らかくてさっぱりとしタレで江戸らしい鰻。うまい。ご飯もぱらぱらで品のある鰻重だ。

1番の驚きは、お吸い物に入っていたのはうずら卵。意外といける。

おいしいお店

気軽に立ち寄れる鰻

初回訪問日:2006/05/01

食べログ情報

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